大正浪漫風戯曲アドヴェンチェア

――赦しは、篠を突く銃声のメロデイ。

曲タイトル:百合華ノ音色

背景 - 物語は雨の音と共に

國家叛逆罪

【法令第六九七条】
肉欲ニ溺レ姦淫シタル者ノ罪咎ニ関スル件

大正浪漫の陰に隠れた、或る雨の夜の物語――。
閉店した喫茶びいどろの扉を叩く、ひとりの少女。
その手に持つのは一輪の魔宵花(まよいが)。
破滅の運命を予感しつつ、処女は少女の虜になる。

『この東ノ國では、一切合切の同性愛を禁ず。
法を破りし者は問答無用で銃殺の刑に処す――』

主演一覧 - 運命に翻弄されし者

トワ
トワ

『澱の中で神に囀る、無垢で愚かな金糸雀の処女』

 喫茶びいどろで働く看板娘。天真爛漫で物怖じしない性格。
 雨の夜に現れたシヅクと恋仲になり、同性愛が禁じられていない理想郷、西ノ國に思いを馳せる。

シヅク
シヅク

『幼き瞳に宿りし業は、魔宵花の糜爛な香を放たん』

 病気の母のため、幼くして路上の花売りで生計を立てている少女。人たらしで甘え上手。
 トワを守るためなら殺人も厭わない。ふたりで愛の逃避行へと身を投じる。

ゴロウ
ゴロウ

『ツラの皮を剥げば只のあはれな舞台装置、肉人形』

 喫茶びいどろのマスター。生真面目で寡黙、規律を重んじる性格。
 國家叛逆罪を犯したトワを射殺しようとするが、銃を奪われ逆にシヅクに殺されてしまう。

フジタ
フジタ

『男色に脳を灼かれた、サディスティックな國家憲兵』

 國家憲兵隊のエリートだが人格破綻者であり、密造酒を煽り血の臭いを嗅ぎ分ける狂犬。
 法を破るも又、法を座右の銘とし、夜な夜な浮浪者を凌辱する。

ロザリイ
ロザリイ

『畸形團を総べる麗しのマダム、気随気儘の瘋癲病』

 見世物小屋の女座長。異國の大陸出身で混血らしいが、素性など一切不明。廓言葉を喋る。
 西ノ國の事情に精通するも、肝心な真実は紫煙を燻らし覆い隠す。

ヘルマ
ヘルマ

『神が書き損じた、雌雄未分且つ禁忌の生き標本』

 容姿こそ可憐な聖少女なれど、卑しい下半身に二つの生殖器を持つアルビノの両性具有者。
 トワとシヅクの関係性に強い興味を抱き、真愛について知りたがっている。

ウサギ
ウサギ

『サァサ!皆々様ァ!残酷ショウの始まりダヨ――』

 狂言回しとしてメタ視点から物語を紐解く謎の語り部。
 この救いなき台本の制作者であり、國事犯。傍観者であるあなたと同罪、舞台の端役を担いませう――。

台本抜粋 - 理とエロスの鬩ぎ合い

【第壱幕】迷子と魔宵花
トワ「この東ノ國ではとても珍しい花よね、これは品種改良して生まれた白百合かしら?とってもいい香り」
胡乱な少女「その花は、あたしの住む所では『魔宵花(まよいが)』と呼ばれる特別な品種なの」
トワ「魔宵花……初めて聞いたけど、妖美のある独特な響きね。花言葉は?」
胡乱な少女「禁断の愛、又は心中」

(中略)

布団を敷くためにトワは再び階段を上がる。
シヅク、暫くネグリジェエを掲げて呆然としているが、顔に近付けて匂いを嗅ぐ。

シヅク「くんくん、くんくん。スーッ、ハー。シャボンの甘くていい匂い」

いそいそと濡れた服を脱いで裸になると、ネグリジェエに着替える。
ビチャッと滴るズロォス(※今で言うパンティの事)を椅子に投げ付けて、二階へ移動。
残された下穿きは縦筋痕に黄色く薄汚れており、甘酸っぱい果実の様な匂いを放つ。
レコォドプレイヤアから流れる最後の曲タイトルは、偶然にも『ふしだらな女』。

【第弐幕】劣情セレナァド
トワ「あっ、どうして……私のか弱い部分を知っているの……お願い、赦して。下の、恥ずかしい所が……キュウウッとなって、切ないの」
シヅク「んふっ、正直者。敏感なんだね。もし、赦さないって言ったら?」
トワ「赦して呉れないと、頭が、おかしくなりそう……こんなの、初めてで、戸惑っているの」
シヅク「いいね……新鮮で。それも悪くないよ」

(中略)

トワ「私の罪は、赦されるものではないと存じております、でも……マリア様、どうか聞いて下さい……」

スッと立ち上がると、トワは両手でスカアトを持ち上げる。
ズロォスを穿いておらず、秘部は丸見え。湿った黒い茂みが暴かれると、月宵にしどけなく照らされた。
神の前で性器を丸出しにする、暴挙、冒涜――。

トワ「見て下さい……これが今の私なのです。一目惚れというのでしょうか?これが、人生で初めての恋なので、気持ちの整理が付かないのです」

スカアトの裾を摘んだ右手を、自分の下腹部に這わせ、無心で前後に擦る。
身体中を稲妻が駆け走り、ぺたんとベロワの床に座り込んでしまう。だが右手の動きは止まらない。

仕様 - 解き明かす匣

種別大正浪漫風戯曲アドヴェンチェア
題名百合々々しく腐り放つ罪咎
基盤ニンテンドーDS / ブラウザ予定
頒布2026/05/04(月) 文学フリマ東京42
価格未定